YouTube【5分で世界史】

【5分で世界史】社会主義と共産主義の違いが、結局わからない人向け解説

YouTubeに、【5分で世界史】というテーマで
動画をあげています。

まだ始めたばかりですが、
受験生や大学生のお役に立てているとのことで、
大変嬉しく思っています。


このページでは、
私が仕事を辞めて、
YouTubeに動画を投稿するまでの物語を
お話しします。

高校時代:歴史がわからなすぎて、勝手に授業の録音をする


私は、高校で社会科の教員をしていましたが、
もともと高校時代は、あまり歴史が得意ではありませんでした。


いや、本当ですよ。

歴史の先生だからって、
ずっと歴史ができてきたと思ったら大間違いですよ。

なんなら、私の得意科目は数学でしたよ。



だいたい高校地歴って、
暗記すべき用語が多すぎるし、
全体像がいつまでたってもつかめないので、

大きな流れの中で何が起こっているのかが、
全くわからなかった
のです。


テストでも、そこそこの点数しか取れないし、
短期記憶だから、何にも身についている気がしないし・・・。

なのに、受験科目は、
日本史と世界史の両方を選んでしまいました。
倫理・政経の方が、ぜったい取りやすいのに。


確か、世界史を選んだ理由は、

「全部知りたかったから」

点取れるか取れてないかより、興味を優先したわけです。
もうなんだか、もっと効率的に生きろよ、って感じですね。笑



ただし、先生には恵まれていました。
私の通っていた高校は、3年間の文系コースがあり、
私はそこに入学したんですね。

「文系のスペシャリスト」なるものを育てるコースらしく、
文系科目はベテランの先生ばっかりだったのです。

特に世界史の先生の授業は、ものすごく面白くて大好きでした。


ただし、

ただしね、

これはもう、全ての生徒は同意してくれると思うし、

全ての先生に声を大にして言いたいのですが、


面白いのと、眠いのは、別!!


ね。ですよね。
もう眠くて眠くて。

目の前でこんなに面白いエンターテイメントが
繰り広げられているというのに、
私のまぶたは重力に逆らえない。
先生は悪くないんです。まぶたが悪いのです・・・。


しかし、眠気を抑えられないのは、いろんな意味で困りました。
そのひとつが、友人との会話です。

面白い話や、ためになる話があると、
そのあとクラスでは
「今日の世界史さ〜」とかって、話題になるわけです。

私はそれを聞いて、ものすごく後悔するわけです。
聞き逃したっぽいから。
だって寝てたから!!

まぶた!!!!!!お前!!!!!!!


悔しいわ、話題についていけないわで、
困った私は、決心します。


授業録音しよ

※いや、ちゃんと許可とってね。
 私は無許可だったし、それを今でも謝ってません。
 ごめんなさい。もう全部消しました。
※補足すると、携帯は禁止されてたので、ボイスレコーダーを使ってました。
 放送部だったので、自分のものを持っていたのです。



いや、単純に面白い話を聞きたかっただけじゃなく、
その時、本当にテストで点取れなくて、困ってたのです。


私は当時バス通学で、
行き帰りの2時間を、ガタガタ揺れるバスの中で過ごしていました。

揺れるバスの中じゃ、
単語帳を開いても集中できないし、
テキストを持って立ちっぱなしも難しい。


その時間を有効活用するには、
録音を聴きつづけるのが一番だったのです。


録音の良いところは、
やはり、何度も聴きなおせるところですよね。

ちょっとぼーっとしてたところを確認したい、とか、
あの時代のこと、今だったら理解できるかも、とか、
試験前にまとめて流れをさらいたい、とか

そういう時に、何度も活用していたのです。



おかげさまで、地歴はセンターで7~8割くらい取れて
(マジでそんなもんですよ。歴史の先生だからって以下略)
志望校にもギリギリ滑り込んだわけです。

教員1年目:自分から録音を配ろうとして、失敗する


そういった経験があったので、
その後、教員になった私は、自然と思います。

生徒に、自分から録音を配ろう!


共有のためにGoogleアカウントを作り、
録音したデータをドライブに入れて、
リンクをQRコードにしてプリントに貼り、
生徒に配ったのです。


そのきっかけは課外授業でした。

課外は自由選択なのですが、
文脈上どうしても、授業本編の内容に触れないといけなくなって、

課外を取らなかった生徒に不利になるといけないので、
「せめて音声だけでも」と共有したのです。


すると、課外授業最後のアンケートで、
「音声の共有を続けて欲しい」と言ってくれる生徒が
一定数出てきます。

「動画を共有してほしい」って意見もありました。


やはり、かたちに残るものには、需要があるんだなあ
このとき確信しました。



ただし、ひとつ、重大な懸念がありました。

授業の録音共有って、許されるんだろうか?

学校教員って、縛りが多そうだし、
特に県立だから、公務員だし、
っていうか私、1年目だし、
(1年目って試用期間なので、なんかあったら解雇ってこともありえます)

何か問題になったら、困るなあと思ったわけです。


課外授業では、勝手にやっていたんですが、
正規授業でも行うなら、他の先生に相談したほうがいいな、
と判断したんですね。


まずはとりあえず、同じ社会科の先生に相談しました。
すると、結構重く受け止めてくださって、
教頭先生→校長先生、と上まで話がのぼっていき、


最終的に、
けっこう問題になりました笑


当時の勤務校では、例のなかったことのようで、
リスクなどを考えた結果、
やめたほうがいいんじゃないか、という話になったのです。

・・・っていうか、勝手にやるなって叱られました。
そりゃそうだ。笑
1年目から、無法者すぎです。
(ちゃんと正課授業の前に報告したのは、偉かったと思う!!)



でもやっぱり、そのときは、結構悔しかったですね。

需要があると、データでもわかっていて
(というか、需要の証明として、わざわざアンケートとったんですが笑)
絶対に良いアイディアだと思うのに、

そのときの私にはどうしようもできないわけです。


今振り返ってみると、
あのときの私は、学校組織の一員として、
県や校長の名の下に、守られていたんですよね。


まあそんなこと分かっていながらも、
当時の私は、かなり悔しい思いをしました。


というか、
そういう立場に甘んじる自分でいることを、
初めて、悔しいと感じた
のです。


そのときに、思ったのです。
学校組織の中にいると、間違いなく生徒に価値を届けられる。
けれど、学校組織の中にいては、できないことが多すぎるのではないか



そのときは、まだやめようとは思ってなかったですけどね。

教員2年目:休校期間中、手描きイラストで授業動画をつくる


さて、数ヶ月後の、2020年4月のこと。
勤務校に動きがありました。

新型コロナによる休校が長引き、
学校がついに、授業動画の提供を決断します

YouTubeアカウントで!!
なんと!!YouTubeアカウントで!!!!

こないだまで録音共有もダメだったのに!!!!!
すごいなコロナの威力・・・!!!!!
マジで緊急事態なんだな・・・!!!!



初めて授業動画を作ったのは、このときです。


動画を作るとなったときも、また色々と考えました。

動画は、一度作ったら、永久に使えるコンテンツになる
というか、そういうものを作ろうと思いました。

しかし、ここでまた懸念。
それは、著作権法です。


実は、コロナによる休校期間のあいだは、限定公開ならば、
著作権の申請が不要になっていました。

でも私は、コロナ期間とか関係なく、
10年くらい使えるコンテンツにしたかったのですね。

そうすると、安易にそこらへんの画像とか、
教科書の画像とか、使えないわけです。

どうしようかと思案して、決意します。


ぜんぶ自分で描くか


現在の授業動画の原点は、ここです。

ちなみに、アイコンにしている、
レオ10世と空海のキメラみたいな絵は、
このとき最初に描いたものです。

(当時の動画は、勤務校に寄贈のつもりで残してきたので、
私のアカウントでは公開していないんですが、
絵だけは残っているので、
たまに画像が登場したりします。ルターとか。)


生徒も楽しんで見てくれたようでした。
「面白かったです」って言ってくれたり、
細かいネタに感想をくれたり。笑

生徒が地方番組の取材を受けたときに
たまたま授業動画が、テレビ局の方の目にとまって、
学校の遠隔授業の取り組みが、
その番組で取り上げられたりもしました。


そのとき、手描きの絵が注目されたのか、
私、長めにインタビューされたんですが、
「授業が残るのが魅力だと思う」
って答えたところが、取り上げられています。


もちろん対面によって伝わるものが多いのは事実です。
でも、「残したい」っていう感情は、
多くの人に共感されると思ったからこそ、
番組に取り上げられたのでしょう。


「やっぱり、誰かに価値を届けるときには、
かたちに残るものにエネルギーを注ぐと効率がいいんだ
と、私の世界で、完全に証明された瞬間でした。

教員をやめようと決める


授業動画というのは、
私にとっても、結構な意義がありました。

価値を残しておくと、
今後の指導が楽になるだけでなく、

私が勤務校から移動してしまっても、
これから世界史を選択する、すべての生徒の役に立てる
ということだからです。


これはすごいことです。

一度YouTubeにあげた動画は、
私が眠っていても、ご飯を食べていても、
将来にわたって、誰かの役に立ち続ける


相当、すごいことです。



時間が許すなら、いくらでも作り続けたかったのですが、
やっぱり、高校というのは忙しいです。
生徒も、先生も。

学校が再開すると、なかなか時間が取れず、
結局、広い範囲を網羅するシリーズを作ることは、できませんでした。


本当は、いろんな工夫をしてみたかったんですよね。

教科書の範囲を、そのまま動画にするのではなく、
授業で解説しにくい、補足説明や、
ダイジェストや、ワンポイント解説などを、
たくさん作って、必要に応じて活用したかったですね。

でも、時間に追われるうちに、秋になり冬になり、
範囲も終わり、共通テストへ・・・。


それで、ついに思います。
「県立高校教員、という、この身分で生きるのは、
きっと、とっても幸せだろう。
けれど、そのままでは、できないことをやろう



私は、いろんなことに関心があって、
世界の全てを知りたくって、
自分にできることは、なんでもやってみたかった。

けれど一方で、本気で何かに取り組んだことはなくって、
なんだかずっと安定を選んできました。

ストレートで大学院まで行って、ラグ無く教員採用試験に受かって、
親孝行だね、なんて言われることが多くて、
でも、そういう人生に甘んじる自分に、どこか疑問がありました。


公務員というのは、とっても守られているけれど、
それはつまり、自分で全ての責任を取ることができないということで、
そういう自分を、一度やめてみよう」と思いました。

【5分で世界史】でやりたいこと


そういうわけで私は、仕事を辞めることを決意して、
「もったいない」とか言われながらも、退職届を出しちゃって
今は、ずっとやってみたかった活動をしています。


そのひとつが、授業動画です。


コンセプトは
授業冒頭で使える復習動画

です。



教員だったころ、
「授業の冒頭で、用語を復習できるものがほしいなあ」と
ずっと思っていました。

授業中、5分間くらい手が開くだけで、
先生って、すごく楽なんですよね。

でも、自分でやると、結局手があかないし、
長い動画を使うと、抜粋するのが大変だし・・・


短く、軽い復習ができるものがあるといいなあ、と
ずっと思っていました。


ですので、「短さ」を最優先しています。



でも、ただ短く単語を伝えるだけだと、
内容が薄くなって、無意味なものになってしまいます。

そんなの、ちょっと調べれば、3分で済みます。


「5分」見てもらうなら、それ以上の価値が必要です



だから【5分で世界史】では、
単語の説明ではなく、考え方の説明をしています

ひとつがわかったら、
それ以外の全ての時代でも、活用できるように
歴史の「抽象化」の仕方をお伝えしています。


これからは、
具体的な用語を一から十まで覚える時代ではなくって、
そこに共通する構造を見抜いて、運用する時代だと思うからです。



これは、教員のままでは、
思い切ってできなかったことです。
なぜなら、解釈に近いから。



【5分で世界史】は
私が、ずっとやってみたかった活動なのです





ただし。
この活動にはもうひとつ、意味があります。

端的に言えば、恩返しです。


私は、2年で仕事を辞めています。

これは、全ての社会に共通することですが、
組織が、新人に色々と教えるのは、
その新人が、将来その組織を担ってくれるという、
前提があるからです。

つまり、先行投資なんですね。

私は、2年間の先行投資だけを受けて、消えてしまったわけです

だから、誰かに返したいのです



元勤務校も含め、
少しでも多くの高校生や、先生方の役に立てるように、
この動画を作っています。

受験生や、教員採用試験の受験生などの
参考になれば嬉しいですし、

先生方のお役に立てると、もっと嬉しいです。
もし授業等で使えそうだったら、許可など要りませんので、
ぜひ活用してください。


動画は、こちらから見ることができます。

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