中国の税制度は税の仕組みを理解してから覚えるべき

動画【5分で世界史】

こんにちは。
Naganomayuiです。


私は高校教員でしたので、
YouTubeで、【5分で世界史】という動画を作っています。


今回は、中国の税制度についてです。


中国関係の動画、もういくつめだろう。
それくらい、色々と区別が必要なものが
多いんですよね。

税制度も、
・租調庸制
・両税法
・一条鞭法
・地丁銀制・・・と
時代に合わせて変わっていきます。

いつ、どう変わったのか、区別が重要になりますね。


動画では、
そもそも税がよくわからない人のために
税のパターンを解説しながら、
どう変わったのか、見ています。

5分程度で見れますので、どうぞ

【5分で世界史】租調庸制と両税法と一条鞭法と地丁銀制の違いが、結局わからない人向け解説

さて。

ここからは、
動画の内容を補填しながら解説します。


動画を見てもみていなくても、
わかるように書きますね。

税を取る側の目線から考える

歴史に限らない話ですが、

この世界は
末端の一般人の視点から見たら、複雑でわけがわかりません


「人文字」って、作ったことありますか?
上空から見たら文字になるように、グラウンドに人間が並ぶやつ。

あれは、並んでいる人間の立場では、
何の文字になっているかわかりませんよね。

でも、上空から見ると、
書いてある文字の内容はもちろん、
歪んでいるところや、途切れているところが
よく見えるでしょう。



歴史を勉強する上で、重要なポイントは、
統治者の目線になって物事を見ること
です。

このブログで、しょっちゅう言っています。

統治者目線って、
別に難しいことじゃないんですけど、
人は、つい、一般人の目線に立って
物事を考えてしまいがちです。


なぜなら、大半の人は
組織の末端として生きているからです。



例えば生徒は、家庭の中でも学校の中でも、
大人に保護されています。
組織を動かす立場には、
なかなか立てません。

先生だって、
たいがいの先生は、管理職の下にいますから
組織全体を俯瞰で見る機会は、
なかなかありません。


人は、自分が普段見ている常識を使って、
世界を理解するので、

統治者の立場に立つよりも、
一般人の立場に立つ方が、簡単なのです




でも、世界は
人の動きでできていますから、
人を動かしたり、導いたりする人間の目線に立たなければ、
なかなか理解しづらいわけです。

税金についても同じです。
税を取る側の目線に立つと、
よくわかります



ですから、今回のポイントです。

  • 税を取る側の立場に立つ
  • 税そのものの仕組みを知る

それでは、
これを頭の片隅に置いた上で、
税制度について、勉強していきましょう。

税の種類と、集め方にはパターンがある

高校生って、
金(というか経済)の話が苦手なイメージがあります。

金って、責任と直結しているので、
遠い世界に感じるのでしょうか。


まあ税金なんて
納めたこともないですしね。(消費税は別)


でも、世界史は、
人・モノ・金・情報の移動で成り立っています
から、

税については、
無視して通れません。


この機会に、
税というものを
根本から理解してやりましょう




さて。
中国の代表的な四つの税制度。

  • 租調庸制
  • 両税法
  • 一条鞭法
  • 地丁銀制

それぞれ、一般的な説明を
みてみましょう。

  • 租調庸制:隋〜唐。租は穀物、調は布、庸は労役の代わりに布、雑徭は労役。
  • 両税法:土地から税を取る。貨幣で徴収。年2回集める。
  • 一条鞭法:全部を銀で治める。
  • 地丁銀制:人頭税を地税に繰り込む。

こんな感じでしょうか。

この説明じゃ、
わけがわからないのも仕方ないと思います。

なぜならこれは、
税のことをわかっている前提の説明だからです。

「これらの違いが結局よくわからない」
と感じているとしたら、
税の仕組みから勉強した方が早いです。


別にこれをそのまま覚えてもいいですよ。

でも、それでは根本的な理解になりません。


世界史には、中国以外にも
さまざまな社会があって、そこにはさまざまな税の形があります。

それをよくわかりもせずに、
全て頑張って暗記するのは、
めちゃくちゃに非効率です。


それなら、税そのもののシステムを覚えてしまった方が、理解が楽だと思います。


さて。

税というのは、国の運営の基本です

大きな組織を運営するためには
何よりも財力が必要です。

集めた財力で、
大規模な公共事業をおこなったり
他の国から自国を守ったりしなければなりません。


ですからまずは
政府の目線になりましょう。

国を動かすために
「いかに正確に税を集めるか」
これを、考える必要がありますね。



税を集めるには、
考えることが2つあります。

1つ目は、税の種類
税として、何を集めるか。

2つ目は、税の集め方
税を集めるために、何を行えばいいか。


この2つのパターンを知ると、便利です。

この世界のだいたいの税制度は、
このパターンに当てはめることができます。


順番にみてみましょう。

税の種類(何を税として集めるか)

まず考えるべきことは、
税として、何を集めるか。です。

国を運営する資源とするためには、
何を集めれば良いでしょう?


今は「税金」の名の通り、
「お金」を集めていますが

初期は、貨幣なんてありませんから、
違うものを集めていたはずです。



税の種類は、以下の2パターンです。

①人
②モノ


いや、すごく簡単ですね。

①人を集め、働かせたり、兵士にしたりする
②普段の働きでできた作物や品物を集める

このどちらかです。

①国は、大きな事業を行うために
たくさんの人材が必要ですから、
「人を駆り出す」必要があります。

ですから、労役や兵役というのを、
税として「義務」にしてしまうのです。


②一方、価値のあるものを蓄えておいて、
それを交換することで、
事業の財源とする必要がありますから、
モノも集めないといけません。

モノは、腐りにくいものがいいでしょう。
中国の場合は、穀物や布ですね。


ですから、貨幣発達前の文明では、
人かモノを集める税が、
非常に多いです。

貨幣が発達すると、
ここに貨幣が加わります


①人
②モノ
③貨幣

ただし、
貨幣を使えば、人を雇うことも、モノを買うこともできるので、
①と②を廃止して、全てを貨幣で済ませることも可能になるでしょう。


ですから、税制を知りたかったら
まずは
「税として、何を集めるか」
「人なのかモノなのか金なのか」
これを考えてみるところから始めましょう。

税を集める方法(どうやって税を集めているか)

次に考えることは、
税を集める方法です。


国としては、
運営のための資源が多い方が、
より良く国を治められますから、

取れるところからは、
確実に取るシステムを作らないといけませんよね。



集める方法も大体2パターンです。

①人を数えて集める
②土地を数えて集める


どういうことか、確認しましょう。

①は、人ひとりあたりいくら、と徴税する方法です。

戸籍調査などをおこなって
「何歳以上のどんな人からは、これだけ集める」というルールにしてしまいます。

そうすれば、
人の数だけ、絶対に税が入ってきますね。

このように、
人ひとりあたりいくら、と集める税を
「人頭税」と言います。




②は、土地これくらいあたりいくら、と徴税する方法です。

土地調査などをおこなって
この土地は、どれくらいの収穫があるか、なども調査し、
「これくらいの広さの土地からは、これだけ集める」というルールにします。
そして、その土地の所有者から、税を集めるわけです。

モノは、土地から生み出されます。
畑にすれば作物が取れるし、
店にすれば売り上げが出ます。

だから、土地をすべて管理すると、
豊かなところから、無駄なく税を集めることができますね。

このように、
土地あたりいくら、と集める税を
「地税」と言います。




税を知りたいときは、
「どうやって集めているのか」
「人を数えているのか、土地を数えているのか」
これを考えてみると、いいでしょう。

中国の税制度、具体例

税制度を学ぶにあたっては、
政府の目線に立って、

・税として何を集めているか
・税をどうやって集めているか

この2つを考えれば良いのでした。

表にしておきますね。



このパターンのどれかが使われていると思いながら、
以下、中国の税制度を見ていきましょう。

租調庸制

まずは、隋・唐の租調庸制からです。

租調庸制は、隋以前の税制度の集大成って感じです。

隋以前にも、さまざまな制度がありますが、
大きく問題になることはないので、
今回は隋から始めましょう。

それ以前を理解したかったら、
「隋は鮮卑系の王朝なので、北朝の影響を強く受けている」
と、理解した上で勉強すると、とてもわかりやすくなります。


さて、
租・調・庸・雑徭と、
税の種類がさまざまですが、

先ほどあげた2つのパターンに当てはめることができそうです。

・租と調 :現物・・・モノ
・庸と雑徭:労役・・・人



ざっくり分類すると、こうなります。
細かくみていくと、

・租は穀物、調は布
・庸は労役の代わりの布、雑徭は労役


庸は微妙なところですが、今回は労役の方に入れたほうが、
分類としてわかりやすいかな、と思って、
こちらに入れています。


あ、これ、
どちらが正しいとかはないですよ。

この世には中途半端なものがいっぱいありますから、
「どっちかといえばこっち!」って
適宜判断していいのです。



大事なのは、
バラバラなものをバラバラなまま覚えるより
ふたつかみっつくらいに分類してから
覚え始めた方が、簡単
だっていうことです。



さて、次に
集め方の方をみてみましょう。


租調庸制は
人に対してかけられる税です。

「人一人あたりいくら」で集める人頭税パターンですね。


土地を数えることはしていません。

なぜかというと、
この時代は「均田制」という土地制度があるからです。


均田制と租調庸制は、セットです。

均田制は、農民に平等に土地を給付する制度ですよね。

ちゃんと戸籍調査をおこなって、
「何歳以上の男性だったらこれくらい」
と、決まった面積の土地を貸します。

そう、
この頃の農民は、自分の土地を持ちません

政府から借りているのです。
(※返すタイミングはバラバラです。
1代で返すこともあれば、代々引き継いでいいものもあります。)


ということは、この時代、
誰がどれくらいの土地を持っているか、
数えるまでもない
のです。

だって政府が貸してるんだから。

成人男性は、
大体同じくらいの土地を耕していて、
同じくらいの豊かさで生きています。


ですから、
皆から同じだけの税金を取るだけで、
全ての土地から等しく税を取っていることになる
のです。



というわけで、
均田制と連動した租調庸制では、
人を数えて税を集める「人頭税」的なやり方で、税を集めているのです。

租調庸制まとめ
集めるもの:人(庸・雑徭)もモノ(租・調)も両方
集め方:人を数える人頭税パターン

両税法

次は、両税法です。
唐の途中で租調庸制にかわって始まります。


これは、均田制が崩壊してきたせいです。
土地を捨てて逃げ出す農民が相次ぎますし、
逆に、一人で大量の土地を持つ人々も増えています。


租調庸制は、均田制とセットでしたね。

この頃の唐では、
人の徹底的な管理ができていないわけです。


「この頃」というのは、具体的にいつかというと、
安史の乱の頃です。

安史の乱って、地方の官僚(節度使って言います)が力を持ちすぎて、反乱を起こしたものですよね。


地方勢力との付き合い方っていうのは、
いつの時代も大変です。
(詳しくはこちらで、中央と地方の関係を話しています)


安史の乱は、なんとか鎮圧しましたけど、

でも、地方官僚が力を持ちすぎて、
中央の目が行き届かなくなってきている現状は、変わりません。


そういうときは、
制度をいったん廃止して、
いちから作ってしまった方がいいです。
(腐敗への対応方法については、こちらで話しています)




というわけで、いい機会なので
税制度を切り替えてしまいましょう。


どんな方法に変えるか、考えるために、
税のパターンを思い出すといいです。

1つ目「何を集めるか」ですが、
人とモノを集めるのは、変わらず続けます。
ただし、この頃はもう、
貨幣が出回っていますから、

モノの方は、
貨幣で集めることにします



そのほうが、
交換する上で、便利ですしね。



2つ目「集める方法」ですが、
ここに工夫が必要でしょう。

なぜなら、均田制はもう崩壊しています。

多くの人が、生まれた土地を捨てているということは、
人をきちんと管理できていないということですよね。

また、「国が土地を貸す」というシステムだったはずが、
だんだんとその制度が崩壊してきて、
ほとんど私有地みたいになってきたり、
土地を大量に持っている人が増えたりしています。

つまり、たとえ人をちゃんと管理できたとしても、
1人から決まった量を取るだけだと、
豊かな土地からあまり税を取れなくて、非効率なのです。


つまり、
これまでのような「人を数えて集める」やり方が、通用しないわけです。


だから両税法では土地からも税をとります

人頭税を全く集めなくなったわけではありません。
でも、人によって豊かさが違う状況なので
誰がどの土地をどれくらい持っているかまで
把握しないといけないわけです。


この方法は、良い点がもうひとつあります。

例え生まれた土地を逃げ出していても、
逃げた先で土地を耕していたならば、
土地の所有者として、税を納めないといけなくなるのです。



つまり、両税法は、
現状に合わせて、もっとも効率的に税を集めるために、
取り入れられた徴税法
なのです。



この改革は、他の制度の移り変わりとセットです。


例えば土地について。

均田制が崩壊しているのに合わせるように、
両税法を取り入れたので、

これまで本当は許されていなかった、
大量の土地を持つ貴族や地主を、認めることになりました。

ですから、その後は地主がさらに増えていくことになります。

宋の時代には、「佃戸」という小作人が増えてきますよね。
つまり、広大な土地を持つ地主が、小作人に土地を貸し始めるのです。

唐で両税法になったからこそ、
五代十国〜宋では佃戸制が発展するわけです。


あとは、徴兵について。

租調庸制と均田制の頃は、
府兵制という制度がとられていました。
きちんと人を管理していたので、
その戸籍に基づいて、兵役を義務付けていました。

けれど、人の管理ができないので、
同時期に、募兵制に切り替わります


これは、
兵士を募集して給料を払う方法です。
傭兵制度ってことですね。


貨幣で税を集めているので、
その貨幣を使えば、兵士を募集して金を払えますよね。



両税法は、
唐のさまざまな変革の一つとして
捉えると良いでしょう。

両税法まとめ
集めるもの:人・モノ(ただしモノは貨幣で)
集め方:人から(人頭税)・土地から(地税)

一条鞭法

明の時代には、
一条鞭法が始まります。

一条鞭法の特徴は「銀納」です
「モノ」と「人」を、両方とも銀で納めさせます。

明といえば、銀の流通だと、
もう覚えてしまってください。


ただ、実は、
明の政府が頑張ったわけじゃなくって、
民間の取引で銀が流通しまくったので、
後追いで銀納を取り入れた、という形です。


もともと明朝って、
信用ある貨幣を作ってくれてなかったんですよね。

元が崩壊したときに、それまで使われていた交鈔が紙切れとなって、
現物取引に逆戻りしたからです。


政府が貨幣を整備してくれないと、
人々はどうするかというと、

誰がみても価値があるとわかる、金や銀を使って取引を始めます。
アジアでは特に銀ですね。


しかもこの頃は、
ちょうど大航海時代です。
世界が繋がった頃ですね。

南アメリカのポトシ銀山や、日本の石見銀山などから、
銀が次々と産出されます。


世界各地の銀は、
銀の需要が高まった中国に、どんどん集まってきます




ここまで銀が流通している状況を受けて、
明朝は考えるわけです。

「それなら、もう全部銀で納めてもらった方がいいな」

よって、全てを銀で治めさせる、
一条鞭法を制定するのです。



今回も、税のパターンに当てはめて考えていきましょう。


①集めるものは、
人とモノの両方なのですが、
これらを、両方とも銀で納めて良いことにします。

これまで、
なんだかんだ労役は続いていたので、
今回、労役のほうも銀で代わりに納めてよくなったのは、画期的ですね。



②集め方は、土地からも人からも、です。

戸籍を管理して、人から集め、
土地を管理して、土地からも集めます。

それぞれ、賦役考察と魚鱗図冊で、管理していました。


やはり「銀納」っていうところが
いちばん画期的な変更点なので、

教科書では「銀納」というところだけ、解説されるわけです。

一条鞭法まとめ
集めるもの:人もモノも銀で
集め方:人から(人頭税)・土地から(地税)

地丁銀制

清では、さらに簡略化します。
地丁銀制です。

土地税と人頭税を、ひとまとめにしてしまいます。

ここが腹立つ紛らわしいところですが、
地丁銀制に「銀」って入っているけれども、
実際に銀能になったのは一条鞭法からです。


むしろ覚えるときは、「地」「丁」の部分に着目しましょう。

人頭税のことを「丁税」ともいいます。
地税と丁税をひとまとめにした制度なので、
地丁銀制
です。



なぜ地税と丁税をまとめたのかというと、

この時代になると人口が増えすぎて、
人を数えるのがめんどくさくなってきたからです。

清の人口爆発具合はすごいです。
経済発展によるものもありますし、
対外拡張しまくって、治める地域が増えたのもあるでしょう。


人の管理が大変なのは、
他にも理由があります。

人々も、人頭税を納めたくないので、
子供が産まれても届出なくなったのです。


脱税のための戸籍のごまかしですね。
これ、日本史とかでも見かけます。

人々目線で見ると、
そりゃあ、税を納めなくていいなら、
納めないでしょうね。


でも、政府目線で見ると、
ちょっとそれでは困ります。

人頭税ではやっていけないのなら、
徴税方法を工夫しなければなりません



どのように変えたか、
今回もパターンに当てはめてみましょう。


①集めるもの、ですが、
これは明の頃と同じです。

銀の流通は今も健在ですから、
人もモノも銀で納めさせます。



②集め方
こちらに工夫が必要ですね。

これを、土地だけにします。
土地を数えて、土地あたりで納めさせる「地税」一本化です。
人頭税は、土地税に入れ込んでしまいます。

どうせごまかしの多い人頭税を苦労して集めるよりは、
その分土地税として集めてしまった方が、
管理も楽だし確実にお金が集まる、
というわけです。



するとどうなるかというと、さらに人口が爆発します。
脱税のために戸籍を誤魔化してた人が、ちゃんと届け出るようになったってことですね。


地丁銀制も、
現状に対応するように、変更されたのだとわかります。

地丁銀制まとめ
集めるもの:人もモノも銀で
集め方:土地から(地税)

4つの税制まとめ

流れをまとめます。

○租調庸制は、人とモノを両方あつめます。
土地を管理せず、人を数えるだけで、集められます。

○両税法は、人とモノを両方あつめますが、モノは貨幣に変わります。
人の管理が難しいので、人と土地を両方数えて集めます。

○一条鞭法は、人とモノを両方とも銀であつめます
人と土地を両方数えて集めています。(賦役考察と魚鱗図冊)

○地丁銀制は、人とモノを両方とも銀であつめます
人を数えるのをやめて、土地だけ数えて土地から集めます。


時代に合わせて、
最も合理的な方法で税を集めようとしている
ことがわかります。


状況に応じて適切な制度を取り入れた結果、
簡略化もしていってますね。

国を管理することは、人を管理すること

今回は、中国の税制度を見てきたのですが、
税の基本は、どこも同じです。

何を集めるかは
基本的には、人かモノ、時代によっては貨幣


税の集め方は
基本的には人か土地



これは世界史で共通しています。

イスラームのジズヤとハラージュも、
人頭税と地税でしたよね。


なぜかって、
国を管理するということは、
人を管理するということだからです。


今回のポイントを思い出しましょう。

  • 税を取る側の立場に立つ
  • 税そのものの仕組みを知る

税を取る側の立場に立つことと、
税そのものの仕組みを知ることは、
結局は同じことです。

全体を捉えるべきだ、ということですよね。


人文字の中にいては、
何の文字が書かれているのかわかりません。


支配者の立場に立って、
「国を動かすため、支配者が考えるべきことは何か」を探していくと、

どんな時代や場所にも通じる、共通点が見つかります
今回の場合は「共通した税の仕組み」です。


組織ってのは、
状況や大きさこそ、さまざまですが、
人の集まりですから、
絶対に共通点があるのです。


共通点を見つけていくと、世界史は理解が楽になります。




そして、共通点があると、
身近にある小さな組織に当てはめてみることもできるでしょう。

例えば今回の話なら、
部費を集めるときに幽霊部員の扱いをどうするべきか、とか
クラスの仕事ができない人に、代わりに何をやってもらうか、とか

そんな問題の手がかりになるでしょう。


やっぱりそういう時は、
「誰々が払ってくれない」とか
「誰々が働いてない」とかって不満を言ってる暇があったら、

統治者目線になって、
「どうやったら解決できるか?」
って考えた方が、生産的ですよね




統治者目線で「人をまとめる」方法を考えるための、ひとつの手がかりとして、
「税制度」をみてみるのもアリでしょう。




このブログ、世界史の解説だけでなくって、
世界史から人間関係を考える方法も、色々と書いているので、
ぜひそういう記事も読んでみてくださいね。

それでは。

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